請負契約では「真のビジネスソリューション」はできません
『今』、プロジェクトを成功させたい
と思っている人の為の Webインテグレーター細川です。
モノづくりで経済発展してきた日本ですが、
ここ10年ぐらいは、消費者に
「モノを消費してもらう」
のではなく、
「コトを消費してもらう」
いわゆる、
「モノ消費からコト消費の時代へ」
なんて言われたりしています。
ITの受託業界も例に漏れず、
「モノづくりからコトづくりの時代へ」
なんて言われたりしています。
同業他社さんのコーポレートサイトを閲覧してても、
「単にモノをつくるのではなく、御社のビジネスのゴールを意識したソリューションを
提供致します!」
といったようなキャッチコピーが並んでいたりします。
かくいう弊社も、そんなようなキャッチコピーをコーポレートサイトに 記載しています(笑) ですが、
ITの受託業界の商習慣である「請負契約」においては、
そういった、
「お役様のビジネスのゴールを意識したソリューション」
はほとんどできません。
もちろん、ちゃんとやってる会社さんもあるとは思いますが、
ITの受託業界の中で、ちゃんとやれている会社は10%もないような気がします。
なぜ「請負契約」だと、
「お役様のビジネスのゴールを意識したソリューション」
ができないのでしょうか?
それは、
「請負契約」が、
予め決められた品質・納期・コスト(予算)(=QCD)を守らなければならない契約だから、
です。
ITの受託業界では、この「予め決められたQCDを守ること」は、
至極当たり前の「常識」になっています。
でも、この「QCDを守ること」に囚われすぎてしまうため、
お客様のビジネスのゴールへの意識が、薄れてしまう傾向にあります。
そして、発注側と受託側が、対立関係に発展してしまうことも、
その傾向を助長させる要因の1つです。
なぜ、対立関係に発展するのでしょうか。
詳しくは(タイトル:その変更管理、ビジネス必要ですか?)にも書いてますが、
発注側からは、プロジェクトの途中で、追加要望が数多く出てきてしまいます。
受託側はそれをいちいち受け入れていると、請負契約で約束したことが守れなくなってしまうので、 その追加要望を突っぱねるわけです。
ここに、「対立関係」が生まれるのです。
対立関係が生まれると、受託側は余計に自身の保全に走りがちです。
受託側のミッションはもはや、「QCDを担保すること」になってしまって、
「お客様のビジネスのゴール」どころではないのです。
ITの受託会社はみな、
「お役様のビジネスのゴールを意識したソリューション」
を提供したいと思っています。
少なくとも、経営者の方々は、強くそう思っているはずです。
でも、プロジェクトの現場では、実体としてそうはなっていません。
それは、「請負契約」がそうさせてはくれないからです。
予め、品質・納期・コスト(予算)を決めてしまう契約は、
契約形態としては、正直楽なんです。
原則、プロジェクトの途中で見直しが発生しないからです。
でもその楽をとったことで、 発注側と受託側で、プロジェクトに対する目的、意識が食い違ってしまっては元も子もありません。
ビジネスのために、ITを使って何か仕組みをつくる時に、
品質・納期・コスト(予算)は重要な要素であることは間違いないと思います。
しかし、 ITの受託業界においては、 その品質・納期・コスト(予算)の決め方には問題があると思っています。
では、 品質・納期・コスト(予算)をどのように決めたらいいのか。 それについては、別の機会に書きたいと思います。
0コメント