発注企業が受託企業に「請負発注」する3つの理由
『今』、ITプロジェクトを成功させたい
と思っている人の為の Webインテグレーター細川です。
ITの受託産業では一般的な契約形態である、
「請負契約」
ですが、
なぜ、発注企業はどこもかしこも、ITシステムやWebサイト構築を請負契約で発注するのでしょうか?
経営者の方や、経営層に身を置いていらっしゃる方であれば共感していただけると思うのですが、
ビジネスにおいて、新規事業であっても既存事業へのテコ入れであっても、その施策の成功確率が6~7割程度ある、という確証があってはじめて、その施策を実行に移すのではないでしょうか。
しかし、
請負契約の成功確率が、業界平均で2割程度(ブログタイトル:「なぜプロジェクトは失敗するのか?」参照)と言われているにもかかわらず、
なぜITの受託産業においては、請負契約が一般的なのでしょうか?
発注企業が受託企業に「請負発注」する3つの理由
それには、3つの理由があります。
①契約手続きが楽である
②検収条件を使って、受託企業に完成責任を負わせられる
③それ以外の契約形態を知らない
①契約手続きが楽である
これは特に「一括請負契約」を締結する場合に顕著だと思います。
発注してから、納品してもらうまでの全てのプロセスを一括で請け負ってもらえるからです。
発注者からすると、非常に楽なのです。
一番最初と、一番最後に契約と検収の手続きをすればいいからです。
②検収条件を使って、受託企業に完成責任を負わせられる
請負契約というのは、検収条件を満たしていないと、その対価を払ってもらえない契約です。
請け負った仕事に責任をもち、その仕事を完成するまで全うする、というのは至極当然の行為です。
そこには何の疑問もありません。
ただ、ITの受託産業における請負契約は、
・完成品を定義できない
・必ず仕様変更が発生する
という2つの側面において、完成責任を請け負うことができない契約形態なのです。
にもかかわらず、契約が欲しい受託企業は、完成品が定義されていなくても請負契約を締結し、発注企業は検収条件をちらつかせることで、仕様変更を受託企業に受け入れさせます。
③それ以外の契約形態を知らない
この理由も意外と多いのではないでしょうか。
「業務委託契約=請負契約」
だと思っている方々が意外に多いのです。
成功確率「2割」のビジネスに投資するのはやめましょう
再度お伝えしますが、
IT受託産業の請負契約の成功確率は2割です。
そんな成功確率2割のビジネスに投資するのは、避けた方がいいと思いませんか?
契約手続きの簡便さと、失敗確率が8割とを比較して、それでも請負契約を選択しますか?
「検収条件」を振りかざして、仕様変更を飲ませようとしたところで、発注側と受託側との間に対立関係を生むだけです。
受託企業は、その多くが 「お客様のビジネスの成長に貢献したい」と思っているんです。
請負契約の検収欲しさに、そこにだけフォーカスさせて仕事をしたいわけではありません。
「ビジネスの成長に貢献したい」ということは、スポットでの仕事をしたいわけではなく、何ヶ月、何年にも渡って継続して取引させていただきたいと思っているのです。
もちろん、期待に応えられていなければ、契約解除していただいて構いません。
でも「請負契約」では、そのような継続取引にはなりにくいのです。
成功確率2割のビジネスに投資するのは、そろそろやめませんか?
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