「パレート改善」を目指した経営とは?

『今』、ITプロジェクトを成功させたい

と思っている人の為の Webインテグレーター細川です。

「パレート効率」という言葉を知っていますか?


パレートというのは人の名前で、イタリアの経済学者の名前です。
このパレートさんが提唱した経済学上の概念で、
簡単に言うと、
「パレート効率」とは

「他の人の満足を下げることなく誰かの満足が上がること」

を言います。


パレート効率、調べてみるとかわるのですが、ちょっと小難しい理論なので、
こちら(「超初心者向け経済学の間」)がわかりやすく解説されているので、知らない方は参考に見てみてください。


そしてこのパレート効率の概念から導かれる考え方として、

「他の人の満足を下げることなしには、誰の満足も上がらない状態」
を、「パレート最適」な状態と言います。


つまり、限りある資源をこれ以上ないってぐらい有効活用している状態、それが「パレート最適」な状態というわけです。


ビジネス上の取引においても、この「パレート最適」を目指したいものですが、実際にはそううまくいきません。


様々なステークホルダー(利害関係者)がいるし、ケースバイケースで条件や制約が絡み合うからです。


でも、少しでもパレート最適な状態を目指す(これを「パレート改善」と言います)には、どうしたらいいでしょうか?


経営理念・ビジョンに従う


どんな企業、大手企業だろうと中小企業だろうと、自分たちがなぜそのビジネスをしているのか、必ず理由があると思います。


「○○の価値を提供して社会貢献したい」
とか、
「○○を変革して、△△な世界をつくりたい」
といった類のものです。


いわゆる、企業の経営理念とかビジョンに当たるものですね。


その経営理念・ビジョンに沿っていない取引・仕事をしているとしたら、どうなるでしょうか。


おそらくですが、 自分たちの商品・サービスに自信をもって価格設定できない(つまり値引きに屈する)とか、
短期の利益を優先したりとか、
そういったパレート効率とは逆(=パレート非効率)の取引をしてしまうことになります。


起業したばかりだったり、業績不振に苦しんでいる時ほど、パレート非効率な取引に手を出してしまったりします。


経営理念やビジョンは大事だが、会社が回らなかったり、潰れてしまっては元も子もないからです。 


なかなか客がとれず、業績不振に喘いで、会社の存続も怪しい状況の時に、経営理念・ビジョンに沿っていない仕事だからと、その仕事を「請けない」という選択が、果たしてできるでしょうか?


ある著名な投資信託の会長さんが、

「投資先を決める際、経営者よりも、その会社が持っているDNAが大事」

と言っていました。


そのDNAこそ、会社が掲げる「企業理念やビジョン」に他なりません。


会社が事業転換を図ろうとも、決してブレないスタンス、それが企業理念・ビジョンであり、長い年月をかけて企業のDNAとして刷り込まれるのです。


だから、「この仕事、請けるのか、断るのか」と迷った時こそ、企業理念・ビジョンに立ち返る必要があります。


経験則ではありますが、

「この案件は企業理念に反しているのではないか、自分が持っている信念や思想と 合ってないのではないか」
という思いが頭をよぎった仕事は、うまくいかないことが多かったように思います。


そういう仕事は、結果として「パレート非効率」な状態になりました。


当然、取引も長続きしません。 もちろん現実的には、どの取引も常にパレート最適な状態にもっていくのは難しいと思います。


でも長い目で見て、例えば1年、2年のスパンでは、トータルするとお互いが満足した状態、

つまりパレート最適に近い状態にもっていくことは可能です。


なのでビジネスにおいては、例えば、
「今回は相手の満足度を下げる取引になってしまったが、次回は相手の満足度を上げる取引にしよう」

といったように、取引ごとにはパレート非効率であっても、総合的にはパレート最適にもっていくような、そういった取引の仕方を目指す、つまりパレート改善を目指したいものです。


もちろん、パレート改善するには、お互いの信頼関係が前提であることは言うまでもありません。 


株式会社グリームオーブ
代表取締役 細川尚史

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