「見積り」は「宝くじ」?

『今』、ITプロジェクトを成功させたい

と思っている人の為の Webインテグレーター細川です。

みなさん、見積りを依頼したことはありますか?


その依頼して出てきた見積り、どのぐらい信頼できるでしょうか?


仕事の完成を約束する請負契約においては、完成したらどれぐらいの価格がかかるのかを知るため、必ず「見積り」を取り付けます。


建設、警備、機械保守、清掃など、有形無形にかかわらず、仕事の完成を約束するものは全て、見積りを取り付けます。


IT産業においても、何らかのソフトウェアをつくる場合には、商習慣的に見積りを作成することがほとんどです。


ビジネス上、取引を開始する際に必ずといって言いほど作成されるこの「見積り」ですが、
「見込み違い」 になることが非常に多い。


どの産業においても、見積りをつくること自体は全くもって問題ないですし、むしろどの産業においても計画立案や、見通しを立てること自体は必要なことなので、見積りをつくることに批判的な立場なわけではありません。


ただ、見積りって、そこで見繕った金額が、そのまま契約締結の発注額になってしまうことが問題なのです。


なぜかというと、
「完成品が定義できない」
ケースがあるからです。


完成品が定義できないケースにおいて見積もった額で契約してしまうと、えてして見込み違い(大概は上振れする)となり、そのプロジェクトは失敗します。


これって、「宝くじ」に近いと思いませんか?


当たっていればラッキーだし、外れてもそれは当然の結果。


完成品が定義できないのだから、何が正解なのかわからないわけで、そんなもの見積れるわけがないのだから、外れて当然なんです。


プロジェクトが終わった時に、実績と見積りがほぼ変わらなかったとしたら、それは”たまたま”当たっただけ。


そんな、宝くじのような、ギャンブル性要素をもった手続き(=見積り)は、いっそのことやめてしまったらどうでしょうか。


なぜなら、そんな宝くじのような見積りを、信頼することはできませんから。


よく考えてみてください。
例えば3社に見積りを依頼して、
・A社 500万
・B社 1,200万
・C社 2,000万

という見積りが出てきたとします。


3社ともその道の専門会社です。
あなたなら、どう思いますか?


一番安いA社を選びますか?

それとも、真ん中をとってB社を選びますか?


僕なら、A社とC社の差がありすぎて、どの会社も選べません。


3社共その道の専門会社なのであれば、これだけの差が開いた理由は、
「見積りを依頼する際の情報不足」
しかありません。

(※見積りを見誤った、という可能性もありますが、今回は3社とも専門会社という前提なので、その可能性は無視します)


つい最近、「見積りっていい加減である」ことが、日本全国に知れ渡ったいい事例があります。


「東京オリンピックの予算」です。


2ヶ月ぐらい前、東京オリンピックの予算が大幅に増額になりそうだ、というニュースが報道されていました。


東京がオリンピック候補地に立候補した段階では、3,000億円。

2015年12月に、組織委員会が公表した額が、1兆8,000億円。
2016年9月には、都の調査チームが「3兆円を超す可能性」を指摘。


これ、上述したA社、B社、C社の見積りみたいじゃないですか?


東京オリンピックがなぜこのような杜撰な見積りなのか、についてはこの記事では言及しません。


言いたいのは、

「完成品が定義できない」ビジネスモデルにおいては、
「見積りは信頼できない」ってことです。


東京オリンピックも、誰も完成品を定義してなかった(あるいは定義できなかった)のではないでしょうか。 


株式会社グリームオーブ
代表取締役 細川尚史

代表である細川のプロフィールはこちら
細川に直接メールしたい!、という方はこちら
細川のFacebookはこちら



IT業界にとっての「非常識」を「常識」に変えるブログ~脱請負宣言~

株式会社グリームオーブ 代表 細川尚史のブログ

0コメント

  • 1000 / 1000