「クライアントワーク」の業界で長時間労働をなくす?
『今』、ITプロジェクトを成功させたい
と思っている人の為の
Webインテグレーター細川です。
日本の長時間労働がなかなか是正されない理由は、何だと思いますか?
高度経済成長期、つくればつくるだけモノが売れた時代、日本の労働者たちはせっせと働き、働けば働いただけの対価をもらうことができるので、結果的に長時間労働になっていた。
でもそれは、賃金が上がり、消費が活性化され、また賃金が上がるという好循環な時代だったので、それはそれでよかったのかもしれない。
この20年はデフレで、経済が活性化せず、賃金も上がらない状態が続いているわけで、高度経済成長期のような働き方は、明らかに今の世の中にフィットしていない。
にもかかわらず、この20年、日本の平均労働時間が横ばいが続いているのは、一体なぜなのでしょうか?
飲食業界の「ワンオペ」や、広告業界では勤怠表を36協定ギリギリの時間に改ざんしたり、といったいわゆる「ブラック企業」が取りざたされたりしてます。
IT業界では、50%以上のエンジニアが長時間労働を強いられているとの調査結果もあります。
経営者に問題があるのでしょうか?
確かに、経営者の考え方一つで変わる可能性はあるのだと思います。
日本電算が長時間労働の是正に乗り出したり、
ヤフーが週休3日制を検討しだしたり、
SCSKが残業時間を大幅に改善したり。
日本の経営者たちだって、長時間労働しなくても業績が落ちないなら、そうしたいに決まっているのです。
でもそうならない。
「企業間の取引慣行」
僕は、日本の長時間労働の原因は、
「企業間の取引慣行の中にある」、と考えています。
特に、”クライアントワーク”の職種では、顧客自体の長時間労働に合わせたり、
顧客の急な要求に応えたりするために、長時間労働を余儀なくされる実体があります。
(※”クライアントワーク”とは、B to Bのビジネスモデルにおいて、契約内容に従って、顧客の要求1つ1つ丁寧に応えていく業務のこと)
そして、その状況をつくりだす根底にあるのは、
「品質」に対する日本人の考え方。
高度経済成長期、モノをつくればつくるだけ売れた時代、
「品質」を極めることが良しとされた時代。
自動車産業を筆頭に「ジャパンクオリティ」として世界に認知され、経済大国として発展した時代。
でもこの20年、ジャパンクオリティだけではグローバルで勝てなくなってきた。
国内においても、「体験」や「付加価値」が重視されるようになってきている。
にも拘わらず、「品質を極める」ことだけが企業間の取引慣行の中に残存し、
「品質の供給過剰」が発生している。
もう誰も、「品質だけ」に価値を見出してモノやサービスを買わないのに。
そもそも、人の健康を害する可能性を無視してまで、品質を追求するために労働を強いる必要性は、あるのでしょうか?
「スピード、改善、継続」
かく言う自分も、以前は「クオリティファースト」でクライアントワークをし続けてきた一人でした。
自分だけじゃなく、部下やパートナー企業にもクオリティファーストを求めて続けていました。
ビジネスにおける優先順位は、
品質>納期>コスト
を徹底するよう、教え込まれてきたのです。
しかし、消費者が「品質だけ」を求めなくなり、生き方として「多様な働き方」が重視される時代を迎え、働き方改革が待ったなしの状況の中、
品質>納期>コスト
はフィットしない。
ビジネススピードを高めてサービスを市場に投入し、
市場ニーズに合わせてサービスを改善し、
ビジネスを継続させる。
体験や付加価値が求められ、多様な働き方が重視されるこの時代に、
ビジネスでアプローチすべきは、
この、
「スピード、改善、継続」
である、と。
企業間の取引慣行に、
この
「スピード、改善、継続」
の概念が組み込まれれば、長時間労働が減っていく世の中になるんじゃないかって、
真剣に考えています。
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