「従業員第一主義」が究極の顧客満足
『今』、ITプロジェクトを成功させたい
と思っている人の為のWebインテグレーター細川です。
日本の商習慣の中には、「お客様は神様」という概念があります。
高度経済成長期が終わり、バブルが弾けて久しい今の時代でも、その概念は今なお残っているようです。
販売業にしろ、サービス業にしろ、自分たちのことを犠牲にしてでも、顧客を第一に考える、という概念が根強く残っています。
一方で、1990年代に米国に端を発した「株主至上主義」が台頭し、日本においても「会社は株主のものである」という考え方から、株主を第一に考える、という概念が広まってきました。
顧客を大事にすること、株主を大事にすること、どちらもビジネスをする上では必要なことなんですが、何か欠けていると思いませんか?
会社の経営を考えるのは経営者であり、その経営に影響を及ぼすのは株主です。
会社が向く方向が株主の意向に左右されるのは確かですが、事業を実際に執行するのは、株主でも経営者でもなく、会社にいる「従業員」です。
顧客に商品やサービスを提供する立場にあるのは、従業員なんです。
この「従業員」のことを忘れてはいないでしょうか?
サウスウェスト航空の事例
米航空会社にサウスウェスト航空という会社があります。
大手の航空会社ではなく、いわゆるLCC(格安航空会社)で、決してラグジュアリーな体験ができるわけではなく、その証拠に機内食はナッツとドリンクしか出ないとか。
そんなサウスウェスト航空、まさに「社員第一、顧客第二主義」を徹底している企業なんです。
同社のモットーは、「仕事を楽しむ」、「空の旅を楽しんでもらう」。
まず、「社員が自ら楽しみながら仕事をする」というのが前提にあるんですね。
社員が自ら楽しんで仕事をし、お客さんを楽しませようと行動するのであれば、会社は全面的に社員を支持し、バックアップします。
そんなことが分かるエピソードとして、サウスウェスト航空ではかつて、機内アナウンスを”ラップ”で行った社員がいます。
一般消費者の感覚、特に日本人の感覚からしたら、
「こんなことしてお客さんから『ふざけるな』とか『不快だ』とかクレームを受けたらどうするつもりなのか」
と思ってしまうんですが、同社はきっぱり、
「もし気に入らないなら、別の航空会社を利用して欲しい」
というスタンスなんです。
社員はお客さんを楽しませようと自ら考え、「ラップで機内アナウンス」というアイディアを思いつき、それを実践する。
そんな「自ら楽しんで仕事をし、お客さんも楽しませる」という社員の行動力を、
同社は完全に支持するんですね。
「従業員ファースト」
サウスウェスト航空はBtoCのサービス業の事例ではりますが、BtoCだろうとBtoBだろうと関係なくて、顧客満足度を最大化したいなら、経営側は
「従業員ファースト」
で考える必要があります。
従業員に、自分を犠牲にしてまで顧客ファーストを強いたところで、そんなスタンスの従業員が、果たして顧客満足度を最大化するような行動をするでしょうか。
経営側は、つい目先の売上、利益に意識がいきがちですが、従業員が顧客向けパフォーマンスを最大限に発揮できるような環境を提供してはじめて、顧客満足度が最大化するのです。
その経営理念、考え方こそが、「従業員ファースト」である、と。
もう一度言います。
顧客満足度を最大化するのは、経営側ではなく、
「従業員」
です。
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