長期プロジェクトがうまくいかない理由
『今』、ITプロジェクトを成功させたい
と思っている人の為のWebインテグレーター細川です。
ITプロジェクトって、いろいろな業界で、大小さまざまなプロジェクトがあるので、どのぐらいの長さだと「長期」というかは、業種・業界によるのですが、僕が携わってきたITプロジェクトでいうと、期間が6ヶ月以上のものは、長期だな、と感じています。
なぜそう思うか、というと、
6ヶ月以内のプロジェクトは、成功する確率が高かったのに対して、
6ヶ月以上に及ぶプロジェクトは、失敗する傾向にあったからです。
ITプロジェクトの難易度は、決して期間に左右されるものではない、と思っていましたが、今では「期間」も、ITプロジェクト成否の重要なファクターなのではないかと考えるようになりました。
職場環境と集中
最近読んだ書籍で、
「忙しい社長のための「休む」技術」
というのがあって、年末年始に読んでみたのですが、
その中で、
「人間の脳は、そもそもそんなに長く集中力が続くようにできていない」
と書かれていて、
「その事実を認識した上で、その集中力をうまく使えるような職場環境が必要」
といったようなことが書かれてありました。
そして、その書籍の中で、ヨーロッパの会社で
「ソーラーセンチュリー社」
という企業の事例が出ていて、
その企業のCEOが、
「注意が分散されて急速にエネルギーが失われ、いつの間にか、物事をスタートさせるのが得意なだけで、最後までやり遂げることが難しくなっていました」
という課題を持ち、
「長期的視野を取り入れた革新的な思考と、もっと差し迫った課題をこなす作業の間でバランスをとるようにした」
というのです。
具体的には、以下の通り。
「仕事を小さく区切って進めるようにした」
「たとえば、長期プロジェクトをいくつかの短距離走に分けました。マネジャーたちには3週間の短距離走として考えるように言っています。それが見事に成功しました。
今では3週間、高い集中力を維持できるようになりました。
それが終われば次の3週間が始まる前に、回復と再生の時間があるとわかっているからです。
回復期間には、一歩下がって自分たちが今どこにいて、どこに向かっているのかを確認する時間ができます。それによってプレッシャーに負けなくなり、自信にもつながります。今ではみんな、難しい仕事でも一度に抱えられるだけの量に分けて取り組むので、全体像も見失わずにいられます。おかげで冷静さと集中力を保ちながら働けるようになりました」
長期プロジェクトがうまくいかない理由
このソーラーセンチュリー社のくだりを読んで思ったのは、
長期(ここでは6ヶ月以上)のITプロジェクトがうまくいかない理由って、
まさに
”これ”なんじゃないか?、
ってことです。
つまり、長期のITプロジェクトがうまくいかないのって、
・ゴールが6ヶ月以上も先なので、ゴールイメージがぼんやりしてしまう
・ゴールが6ヶ月以上も先なので、冷静さと集中力が途切れてしまう
・目の前の課題やリスクが膨大になり、全体像を見失ってしまう
ということなんじゃないか、と。
逆に、長期のITプロジェクトであっても成功しているものは、上記3つをうまくコントロールできているのではないかと思うのです。
なので、上記3つがうまくコントロールできていなければ、例え2~3ヶ月のプロジェクトであっても、失敗する可能性が高まります。
僕が考える、長期のITプロジェクトを成功させる方法は、以下です。
①長期プロジェクトを短距離走に区切る
⇒「2~3週間」や「1ヶ月」に区切る
②その区間は全力疾走する
⇒ゴールが明確なので、冷静さと集中力が高まる
③短距離走を走り切ったら、一旦回復と再生に努める
⇒一歩下がって、「今このプロジェクトはどこにいるのか、どこに向かっているのか」を確認する
こうすることで、ITプロジェクトの全体像を見失うことなく、かつ冷静さと集中力が保たれて、ITプロジェクトの成功確率がぐっと高まります。
これは、昨今何かと話題の「長時間労働」を抑制し、働き方改革にもつながる方法です。
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