リスクヘッジ"が必要ない3つの理由

『今』、ITプロジェクトを成功させたい

と思っている人の為のWebインテグレーター細川です。

請負のITプロジェクトにおいて、PM(プロジェクトマネージャ)が最も価値を発揮する役割りの1つとして、
「リスクヘッジ」
があります。


ここでいう「リスクヘッジ」とは、受託会社が自社の不利益を回避するための行為、行動のことです。


僕も、前職や前々職でITプロジェクトのPMを経験しているのでよくわかるのですが、受託会社におけるPMの要の1つは、
「いかにリスクヘッジできているか」

でした。


ITプロジェクトは一般的に、予算、スコープ、納期が決まっている契約なので、予算、スコープ、納期を守れない可能性のある問題が発生した場合、PMはそこに対策を講じる必要があります。


その問題が、発注企業側の都合で発生した場合に、リスクヘッジします。


具体的には、例えば発注企業が仕様追加・変更を要望してくるケースです。


発注企業は、それほど大規模な仕様追加・変更でなければ、予算内で対応してくれることを期待します。


受託企業も、営業的な側面から柔軟に対応する傾向にありますが、いわゆる「チリツモ」というやつで、それが何度も繰り返されると、予算内で吸収するのが難しくなってきます。


さらに、当初の納期は遵守しなければならないし、加えて、繰り返される仕様追加・変更を受け入れつつも、品質面が妥協できるわけではないので、納期リスク、品質リスクが高まってきます。


こうなってくると、受託企業が自社でコストを持ち出さないと対応仕切れなくなってくるので、ここで「リスクヘッジ」するのです。


これは、リスクヘッジを発動する際の一例に過ぎないので、実際には、ITプロジェクトで発生する様々な「リスク」に対して、不利益を回避するために、PMは様々なリスク対策のためのリスクヘッジを実行します。


今までの経験上、こうした「PMのリスクヘッジ」は当たり前のことだったし、
「リスクヘッジ力があるPMほど、優秀なPMである」
と考えてきました。


15年以上の請負経験の中で、どこに行ってもその価値観は不変で、受託企業では至極当たり前の価値観なんです。


でも、ここ半年ぐらいで、僕自身のその価値観は変わってきました。


リスクヘッジが必要ない3つの理由


ITプロジェクトにおけるリスクヘッジは、今では「受託企業側の論理でしかない」と考えています。


なぜかというと、以下の3つの理由があるからです。
①発注企業がそもそもリスクヘッジを望んでいない
②発注企業と受託企業の関係値が悪化する
③リスクヘッジに費やすエネルギー、時間は、もっと他のことに使える


受託企業が不利益を回避する裏では、発注企業の利益が損なわれる場合がほとんどです。


上述の例でいうと、仕様追加・変更は、発注企業のビジネス機会にとって必要かもしれないことなので、それを回避されてしまうということは、発注企業のビジネス機会が損なわれる可能性がある、ということです。


受託企業の目的は、
「発注企業のビジネスを継続させること」
にあるので、こうしたリスクヘッジはその目的に反する可能性があります。


でも、予算、スコープ、納期が決まっている契約においては、受託企業はリスクヘッジせざるを得ないのです。


発注企業と受託企業の、この二律背反な状況が、2社の関係値を徐々に悪化させる要因の1つでもあります。


そして、受託企業がリスクヘッジに費やすエネルギーと時間は、発注企業が思っている以上に大きなものです。


発注企業がそれを知ったら、おそらくこう思うことでしょう。

「そのエネルギーと時間を、もっと他の有意義なものに使ってくれればいいのに」

と。


発注企業にとって、受託企業の「リスクヘッジ」は不要なものの1つです。


ですがさっきも言ったとおり、予算、スコープ、納期が決まっている契約においては、受託企業はリスクヘッジせざるを得ないんです。


だったら、「予算、スコープ、納期」が決まっている契約自体が、問題なんじゃないでしょうか?


予算、スコープ、納期が決まっていなければ、受託企業はリスクヘッジする必要性がなくなります。


グリームオーブでは、その解決方法をご提案しています。


株式会社グリームオーブ
代表取締役 細川尚史

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